見てきたとおり、オンデマンド印刷にはメリットもたくさんありますが、印刷方法が全く違うためオフセットの品質とは異なりますし、いろいろなデメリットもあります。できる限りオンデマンド印刷の特徴についてご理解いただき、お客様の「仕上がったイメージ」とズレのないような形で、オンデマンド印刷を作品作りにご活用いただければ幸いです。
- 気を付けてポイント 1.色に関するあれこれ
①データの色味を再現できないことがあります
モニターによる色味の見え方の違いがあることをあらかじめご了承ください。
また、RGBで作成されたデータは全てCMYKでの印刷となるため、くすみが発生いたします。
蛍光色のような鮮やかな色は、色味の変化が大きいためご注意ください。
また、オンデマンド印刷は、気候や印刷機の日々のコンディションによって、同じデータを同じ印刷機で、全く同じ設定で印刷しても色味が多少変わることがあります。
また、同じ作品でも一枚ごとの印刷の仕上がりに若干の差が出る場合もあります。ちょっとの違いで色味の左右される淡い色・パステル調の色は特に色味の違いを感じることがあるかもしれません。
弊社では増刷や、試し刷り後にご注文をいただいた場合、前回印刷したものを実際に見ながら(※ただし保管期限3か月)それに近くなるよう調整して出力していますが、それでもオンデマンド印刷の特性上、前回と100%同じ色味に仕上げることは難しいのが現実です。
オンデマンド印刷機は気候・気温・湿度などの環境にも大きく左右されるため、その点も考慮し、設定を都度調整して印刷を行っておりますが、温度・湿度の調整等を行っていても印刷の出方が異なることがあります。
また、機械のメンテナンスや消耗部品の交換等を行ったタイミングによっては、前回印刷分との仕上がりに影響が生じる場合がございます。
お客様の満足する仕上がりにできるよう、一人一人の原稿ごとに色味の確認・調整をしながら印刷していますが、試し刷りを含む前回印刷分との色味の誤差についてはオンデマンド印刷の特性としてご理解いただけますと幸いです。
※色味の差異を理由とした返品、交換は対応ができません。あらかじめご了承ください。
②面積の大きいベタや平網は「ムラ」になりやすい傾向があります。
表紙全面など広範囲のベタ・平網部分はムラが発生しやすくなります。
特に広範囲に渡るグレーのベタ塗りはトナー汚れやムラが起きやすいです。
印刷機は気候・気温・湿度などの環境にも大きく左右されるため、その点も考慮して設定を都度調整し印刷を行っておりますが
乾燥している時などは特にトナーの定着が悪く、温度・湿度の調整等を行っていてもムラが発生することがあります。
ベタ塗りを多用される場合は、ムラの発生について、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
1.淡い色は、色を掛け合わせすぎない
淡い色に関しては、色の掛け合わせが多いとムラが出やすい傾向にあります。
2.1色のベタ塗りではなく、テクスチャーを使用する
テクスチャーを重ねることにより、ムラが目立たなくなるためおすすめです。
3.特殊紙を使ってムラが出ても目立たなくする
表面が滑らかなアートポスト系の紙よりも、[ペルーラ]、[シャインフェイス]、[エスプリVエンボス]などの特殊紙のほうがムラが多少目立たなくなります。特殊紙を使ってみるのはおすすめです。
4.ホログラムPPをかける
ホログラム効果によって淡い色のムラは気にならなくなります。
③濃度10%以下の薄い色は、機械が色を認識できずに、飛んでしまうことも。
淡くて薄い色は、モニタ上では確認できても、実際に印刷すると色が出てこない場合があります。印刷時に薄い色の色飛びが確認された場合、可能な限りお客様へのご連絡を差し上げていますが、繁忙期などはそれもできずにそのまま出力する場合もあります。オンデマンドの特性としてご理解いただけると幸いです。
- 気を付けてポイント 2.熱による波打ちやそり
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プリントキングのオンデマンド機は乾式トナー方式で、これは用紙に付着させたトナーを最後に熱によって定着させています。この熱は200度程度の高熱ですので、この中を通ってきた用紙は一気に水分が奪われてしまい、用紙が波打つことがあります。当社でもプレス(重し)などの対策は行っていますが、気候などによって波打ちが治らないケースもあります。オフセットは熱を使わないのでこのようなことがないのですが、熱による様々な影響はオンデマンドの特徴です。ご理解いただければと思います。
- 気を付けてポイント 3.用紙によっては「中抜け」が起こる
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乾式トナー方式というのは、紙の上にトナーが乗っているような状態なので、凹凸のある用紙(アラベールスノーホワイトなど)の場合は凹部分にトナーがしっかり乗らず、「中抜け」と呼ばれる現象が起こることがあります。オフセット印刷のようにインクを流し込む方式の場合はこのようなことは起こりません。例えるとオンデマンドはクレヨンで、オフセットは絵の具のようなイメージです。クレヨンは全面を塗っても、ところどころ隙間があったりすると思いますし、紙の上に「乗せた」感がありますよね。これがオンデマンドの特徴です。ポジティブにとらえれば、雰囲気のある印刷ができるともいえます。
凹凸のある紙を使う際は、紙見本帳などでトナーの乗り具合など仕上がりイメージを確認してからご利用されることをお勧めします。
- 気を付けてポイント 4.折り部分のトナー剥がれ
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上記のポイント3でも記載していますが、乾式トナー方式は「紙の上にトナーを乗せた状態」です。そのため印刷部は折りや曲げには弱くなっています。
特に濃い色で折った部分のトナー剥がれが目立ってしまいます。また用紙が厚いほど顕著に出てしまいます。冊子の背の部分は角を折り曲げていますので(特に厚い冊子になるとしっかり折り曲げることになります)、このことを忘れないようデザインするとより美しい仕上がりでお届けできるかと思います。
PP加工をすると、印刷面を保護してくれるので折り部分でのトナー剥がれはなくなります。
曲げる部分には印刷をしない・もしくは濃い色を使わないなど、デザイン面でもトナー剥がれを回避できます。
最後に
あえてデメリットも述べさせていただきましたが、オンデマンドの特徴をよくご理解していただき、ご利用の手助けになればと思います。
オンデマンド機の品質は向上しており、オフセットに迫る程の美しい印刷が可能になってきています。ものによってはパッと見、オフセットなのかオンデマンドなのかわからないことも。
気になる方は、ぜひ一度用紙・印刷見本で仕上がりを確認してみたり、5部や10部の小部数からご注文できますので、お気軽にご注文をしてみてください。
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